こんにちは、エモーショナルスクリプト®セールストレーナーのたかぞうです!
本日のテーマは、
『ピグマリオン効果』です。
この手の心理学ってネーミングがワクワクする感じがしませんか?今回紹介するもピグマリオン効果も期待が高まりますが、これは、教育の現場でよく用いられる心理学用語です。つまり、人を育てるときの心理効果として有名です。
しかし、ここはあくまで、ビジネス心理学を考える場。心理効果をどのようにセールスコミュニケーションに活かすかが重要になります。
あなたは、このようなことで悩まれていませんか?
・お客様に主導権を握られ、振り回される。
・自分の話を誠実に聞いてもらえない。
・クロージングがなかなかスムーズに運ばない。
このような悩みがある方には有益な内容です。
心理学者でも、ライターでもない、リアルなセールスの目線で、現場に活かせる考え方や実践方法をご紹介します。
僕自身もともと、どこにでもいる平凡なセールスマンでした。でも、こういった心理学的な要素を現場に取り入れていくことで、少しずつ成績を伸ばすことができました。
10年間で営業会社5社、訪問販売や提案営業、テレアポといった職種を経験し、実演販売の会社ではトップセールスマンになりました。そこから起業して8年、現在は、独自のセールス手法を紹介しながらトレーナーをさせていただいてます。
その経験と独自の視点で、あなたに役立つ実践方法をお伝えしていきます。
では、あなたのセールス現場でどのように活用ができるのか見ていきましょう。
目次は以下の通りです。
ピグマリオン効果とは
ピグマリオン効果とは、アメリカの教育心理学者であるロバート・ローゼンタールという人が提唱したもので、「他者から期待されることで、その学習や作業に成果があらわれる」効果のことをいいます。
この人の名前をとって『ローゼンタール効果』ともいわれています。
つまり、期待された人は、それに応えようと努力する傾向があるということですね。
僕も、学生時代を思い返すと、親や先生から期待された部分は、頑張った記憶があります。
セールスパーソンとしての言葉の理解はこれくらいで十分でしょう。でも、もう少しこの作用の部分を深読みしてみましょう。
なぜなら、この法則を働かせるには条件があるように思われるから。
一つは、期待する側の権威性や好感度、信用や信頼がもとにあること。
二つ目は、その期待されている内容が、その人の自己重要感や、承認欲求を満たすなどの、前向きで、建設的な内容であること。
さらに崩して表現をするなら、人として、期待され、褒められて嬉しい内容であること。
僕は、ここが根っこの部分だと思います。
これをセールスで活かすには、どのように考え、実践していけば良いのでしょうか?
セールス手法としての理解
はい、ではもう一度おさらいをしましょう。
心理的的傾向
意思決定(または行動)に際して、相手の好印象を裏切れない、または、裏切りにくい、という心理がはたらきやすいということです。
それがはたらく条件
・話し手の側には、権威性、好感度、信用、信頼があること
・受け手の側としては、期待されて嬉しい(性格的に)内容であること
まとめると、こういった内容になるでしょう。
セールスコミュニケーションでは、こういった心理的傾向を利用して、それがはたらく条件を作っていく必要があります。
つまり、現実的に想像すると、
お客様の心理としては、挨拶も終わり、自己紹介も終え、ある程度の安心や、信用をもっている。そのため、好感をもつことができた。どちらかというと好きなタイプのセールスパーソンだ。人となりもわかり、常識的で、話しがわかるタイプだという印象がある。
その彼(彼女)が、私のことを〇〇な人ですね。と褒めてくれる。
そして、真剣に私の話すことを聞いてくれ、共感、同意、理解してくれる。
さらに、悩みが解決して、改善した私に期待してくれている。
どうでしょうか?
こういった状況づくりが、ピグマリオン効果といわれる心理傾向をセールスコミュニケーションに活用するイメージです。
では、具体的にはどのようなことをしていけば良いのか?
具体例
■あなたのポジショニング(印象)づくり
ここで考えなくてはいけないのは、
「誰が話すか」です。どこの誰でもない人の話は誰も聞きません。出来るだけ、短時間の間に、相手に伝えないいけないことがあります。
- あなたはどこの誰で何の専門家なのか(信用)
- 見た目が、自己紹介の内容とズレていないか(安心)
- 好感をもってもらえる格好か(第一印象)
- 自分の思い、感情を伝えているか(信頼)
たとえば、
◯◯さん、お忙しいのにお時間作っていただきありがとうございます。お会いできるの楽しみにしていました。
ニコ、
私は、営業部の■■と言います。
キリ、
この業界では◯年働いていまして、年間100社近いお客様とお付き合いさせていただいております。なかなか専門的なことが多い業界なので、▲▲の資格も取得してますから、何かわからないことがありましたら、なんでもおっしゃってください。
ポイントはあなたの肩書とできることを明確に伝えること。そして、できるかぎり、感情的な感想をおり混ぜた話し方を心がけることで、あなたの人柄も相手に伝わりやすくなるでしょう。
こうじゃなければいけない!ということはありません。
自分が相手の立場に立った場合、どのような人に、安心や信用、信頼をおくか、考えてみてください。
できれば、早い段階で印象をつくりましょう。ですから自己紹介などのファーストコンタクトは大切です。
■かける言葉
これを話す前に、注意していただきたいのは、ここから話す内容は、ニーズがわかり、あなたが扱う商品が、必ず相手の役に立つという確信のもと行ってほしいことです。そして、お客様自身も解決したいという要望が潜在的にあることが前提です。
では、いきます。
簡単にいえば、「断りにくくする」、「契約することが正しい行いだと判断してもらう」
ということ、
このために、あなたにとって都合がいい性格や性質を相手にラベリングし、それをもとに意思決定、行動してもらおうということです。
具体的には、
・その考えは素晴らしいです。
・尊敬します。おっしゃる通りです。さすが。
・すごく前向きな性格ですね。
・行動力ありますね。
・決断が早いですね。
・カッコいい
など、その人の性格や性質を褒めた内容
ポイントは、あなたのプレゼンはもとより、相手のプライベートや仕事の話の中にこれらを入れていくことです。
決断が早く、前向きで、理解が早く、行動力がある方が、あなたの商品を理解し、納得し、価格も払えない額でないとするなら、断るでしょうか?グズグズと考えたり、迷ったり、するでしょうか?
しませんよね。
そういうこちら側からの期待ということです。
練習方法
あなたの現場に落とし込む際、考えないといけないポイントは3つ
・シチュエーションづくり
・アクション
・トーク内容
場面設定やコミュニケーションを取る際の言葉以外の動作(声色、目線、仕草なども入ります)、そして話す内容。
この3つを書き出し、あなたの台本、脚本を作ることをお勧めします。
理由は、それを暗記して反復練習ができること、改善点が見つかれば、訂正、改善が容易なこと。
最終的には、あなたの「虎の巻」ができあがり、あなた独自のノウハウとして活用が可能になるからです。
『トラの巻』でもあるセールススクリプト(脚本)づくりに関しては、他に記事がありますからそちらもあわせて読んでみてください。
まとめ
いかがでしたか?
正直、これはズルい方法です。なぜなら、断りにくく話をもっていっているので。
でも、僕たちセールスパーソンは、お客様の悩みを知り、理解し、解決していくのがお仕事です。
そして、その先に喜ばれている状態であることがもっとも重要です。
そのために働くわけですが、とりわけ、お客様には、できれば高額な代金を払いたくない、先延ばしにしたいという心理があります。その他にも、支払いのタイミングだったり、不安などもあるでしょう。
注意してほしいのは、こういった、心理学を活用したセールスは、買う気のまったくないお客様をだまして、成約を取る方法ではありません。
解決したい。内容も理解した。あなたの商品を使用すれば良いこともわかった。
でも、少し不安、少し迷う。こういった背中を後押しするコミュニケーション手段の一つとして、活用してください。
大切なのは、あなたが、「あっ、この人なら、私の商品で必ず喜んでもらえる」という確信のもと使用することです。
心理学は、もともとは人をケアするためのものです。その根っこの部分は、優しさや、思いやりです。今回のピグマリオン効果も、あなたの優しさのもと活用することを願います!
では、また次回お会いしましょう!!
たかぞうでした!